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賞与の「支給日在籍」「基準日在籍」とは?受給可否の見極め方

賞与の「支給日在籍」「基準日在籍」とは?受給可否の見極め方

|8分で読めます

賞与の受給要件 図解

結論(最速で知りたい方へ)

退職前にボーナスを受け取れるかどうかは、就業規則(賃金規程)の賞与条項にあるたった1つの条件で決まります。

  • 支給日在籍型 → 賞与の支給日に在籍していれば受給できる
  • 基準日在籍型 → 賞与の評価期間の末日(基準日)に在籍していれば受給できる

この2つのどちらかを特定するだけで、最適な退職日が明確になります。


目次

  1. なぜ在籍要件が重要なのか
  2. 支給日在籍型とは
  3. 基準日在籍型とは
  4. 就業規則の条文をどう読むか(実例)
  5. 人事への確認テンプレート
  6. パターン別・最適退職日の考え方
  7. 金額差のシミュレーション
  8. 注意すべき例外パターン
  9. よくある質問(FAQ)

1. なぜ在籍要件が重要なのか

賞与(ボーナス)は法律で支給が義務づけられているものではなく、各会社の就業規則で定められた任意の報酬です。そのため、受給条件も会社ごとに異なります。

多くの会社では「一定の時点で在籍していること」を受給条件としており、この条件を在籍要件と呼びます。退職日が在籍要件を1日でも満たさなければ、数十万円〜100万円以上の賞与を丸ごと失う可能性があります。

月給 賞与係数 賞与見込額
25万円 2.0ヶ月 50万円
30万円 2.0ヶ月 60万円
35万円 2.5ヶ月 87.5万円
40万円 3.0ヶ月 120万円

退職日を数日ずらすだけで、これだけの金額を得られるか失うかが変わります。


2. 支給日在籍型とは

「賞与支給日に在籍する従業員に支給する」 という条件です。日本の企業で最も多いパターンです。

就業規則の典型的な書き方

第◯条(賞与)
賞与は、毎年6月および12月に、支給日に在籍する従業員に対して支給する。

ポイント

  • 支給日(例: 12月10日)に在籍していれば受給できる
  • 評価期間中に在籍していたかどうかは問わない(ただし査定で減額される場合はある)
  • 支給日の翌日以降に退職届の効力が発生すればOK

退職日の作り方

例えば12月10日が賞与支給日の場合:

  • 12月10日まで在籍 → 受給OK
  • 翌月の1月1日付で退職 → 受給OK + 12月分の社会保険料も回避できる可能性

詳しいケース別の金額試算は → 支給日在籍型のケース別試算


3. 基準日在籍型とは

「一定の基準日に在籍する従業員に支給する」 という条件です。基準日は支給日より前に設定されていることが多く、支給日在籍型より退職タイミングの自由度が高い場合があります。

就業規則の典型的な書き方

第◯条(賞与)
賞与は、毎年6月および12月に支給する。
ただし、支給対象者は、賞与算定期間の末日(6月賞与は3月31日、
12月賞与は9月30日)に在籍する従業員とする。

ポイント

  • 基準日(例: 9月30日)に在籍していれば、支給日前に退職しても受給できる
  • 基準日を過ぎた後は、支給日を待たずに退職しても理論上は受給対象
  • ただし「支給日に在籍」を追加条件としている会社もあるため、条文の全文確認が必要

退職日の作り方

例えば基準日が9月30日、支給日が12月10日の場合:

  • 10月1日以降に退職 → 基準日はクリア済み。受給対象
  • 9月29日に退職 → 基準日未達。受給できない

詳しいケース別の金額試算は → 基準日在籍型のケース別試算


4. 就業規則の条文をどう読むか(実例)

実際の就業規則には、上の例のようにきれいに書かれていないことも多いです。以下のキーワードに注目してください。

「支給日在籍」を示すキーワード

  • 「支給日に在籍する者」
  • 「支給日現在で在籍する社員」
  • 「支給時に雇用関係にある者」

「基準日在籍」を示すキーワード

  • 「算定期間の末日に在籍する者」
  • 「◯月◯日を基準日とし、当該基準日に在籍する者」
  • 「査定対象期間終了時に在籍する従業員」

判断に迷うケース

以下のような記載は判断が難しいため、人事部門への確認が必要です:

  • 「原則として◯月に支給する」(在籍要件の明記がない)
  • 「会社の業績に応じて支給する」(支給自体が不確定)
  • 「勤続◯ヶ月以上の者に支給」(在籍要件+勤続要件の複合)

5. 人事への確認テンプレート

就業規則が手元にない場合や、条文の解釈に迷う場合は、人事・総務に以下の1行で確認できます:

「賞与の受給要件は、支給日在籍と基準日在籍のどちらでしょうか?」

この質問で相手がピンとこない場合は、以下のように聞き直します:

「賞与支給日の前に退職した場合でも、算定期間に在籍していれば賞与は支給されますか?」


6. パターン別・最適退職日の考え方

パターンA: 支給日在籍型(12月10日支給の場合)

退職日 賞与 社保 評価
12月9日 11月分まで 賞与を逃す
12月10日 11月分まで 受給OK
12月31日 12月分も発生 社保1ヶ月分の負担増
1月1日 12月分を回避 賞与+社保回避の両立

最適解: 1月1日退職(賞与受給+社保1ヶ月分の回避)

パターンB: 基準日在籍型(基準日11月30日、支給日12月10日)

退職日 賞与 社保 評価
11月29日 10月分まで 基準日未達
11月30日 11月分も発生 月末在籍で社保発生
12月1日 11月分を回避 賞与+社保回避の両立
1月1日 12月分を回避 さらに1ヶ月遅らせる余裕がある場合

最適解: 12月1日退職(基準日クリア済み+社保回避)


7. 金額差のシミュレーション

月給30万円・賞与2.0ヶ月・社会保険料率14.5%の場合:

シナリオ 賞与 社保回避 合計メリット
支給日前に退職 0円 +43,500円 +43,500円
支給日後+翌月1日退職 +600,000円 +43,500円 +643,500円
月末退職(社保発生) +600,000円 0円 +600,000円

退職日を数日ずらすだけで最大60万円以上の差が生まれます。

ヒント: あなたの条件での正確な金額は、最適退職日シミュレーターで無料計算できます。賞与・社会保険・有給の3要素を総合的に最適化します。

退職日と社会保険料の関係について詳しくは → 月末退職と月初退職どっちが得?


8. 注意すべき例外パターン

査定按分(在籍期間に応じた減額)

一部の会社では、算定期間の途中で退職(または入社)した場合、在籍期間に応じて賞与を按分する規定があります。例えば算定期間6ヶ月のうち3ヶ月しか在籍していなければ、賞与が半額になるケースです。

「自己都合退職者を除く」条項

退職予定者や退職合意済みの従業員を賞与支給対象から除外する規定がある会社もあります。この場合、退職届の提出タイミングが重要になります。

退職届の提出と賞与の関係

退職届を提出した時点で「在籍」ではなくなるわけではありません。退職届は将来の退職日を予告するものであり、退職日まではあくまで在籍中です。就業規則に「退職届提出者を除く」と明記されていない限り、支給日に在籍していれば受給対象です。


9. よくある質問(FAQ)

Q. 試用期間中でも賞与はもらえる? A. 就業規則の規定によります。「正社員に限る」「試用期間中は対象外」と記載されている場合は対象外です。

Q. 退職届を出した後でも賞与はもらえる? A. 退職届を提出しただけでは在籍は継続しています。退職日が支給日以降であれば、支給日在籍型なら受給対象です。ただし、就業規則に退職予定者の除外規定がある場合は要確認です。

Q. パート・アルバイトにも適用される? A. 就業規則で賞与の支給対象にパート・アルバイトが含まれていれば適用されます。就業規則が「正社員」と「パート」で別になっている場合は、パート用の規程を確認してください。

Q. 賞与の在籍要件は法律で決まっている? A. いいえ。賞与の支給基準は法律で定められておらず、各会社の就業規則で決められています。ただし、裁判例では支給日在籍要件を有効とする判断が一般的です。


出典・参考

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